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日本の旬 魚のお話(夏の魚-19) | |
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胡麻鯖(ごまさば) | |
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旬 | |
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ゴマサバは不味いという定評があるが、どうしてどうして、夏のゴマサバは〆(しめ)サバにすればマサバより味が上。 麺つゆなどのダシ取り用の節にされることが多い。 日本近海に生息しているのは、ホンサバ又はヒラサバと呼ばれるマサバと、このゴマサバの2種類である。 鯖の背の 犇(ひしめ)く大漁 網絞る 大島 菊葉 |
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命名 | |
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体の模様がマサバのような波を打つ形でなく、胡麻のような点斑状であることにより付いた名前。 サバとは、「斑葉魚(いかばのうお)」、もしくは「斑魚(いさば)」の意で、「イサバ」の上音である「イ」が脱落した言葉かもしれず、辞典には「イサハ、斑葉、植物の葉に斑点・縞などの現れたものをいう」とある。 イサバは広く「魚」を意味する方言でもある。大辞典には、古くは鯖を「コロヲ」と呼んだとある。「コロ」とは猪の幼獣の呼称で、背部に斑(まだら)や縞のあることから、それによったものであろう。 |
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地方名 | |
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マルサバ(高知・関東)・・・・・・・・体形が丸味をおびていることから。 ホシサバ・ホシグロ(出雲崎)・・・斑点が星のように見えることから。 ドンサバ(北九州)・・・・・・・・・・・・味がマサバより劣っていることから。 英名 Spotted mackerel Slimy mackerel |
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スズキ目サバ科サバ属 | |
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スズキ目のグループでは、カツオやマグロ、カジキといったサバ科は一大グループを形成している。 サバ属にはマサバとゴマサバの2種類がある。マサバは体がやや平たいのでヒラサバとも呼ばれ、通常サバと呼ぶのはマサバのことをいう。日本海のサバは、関東のサバの味が落ちる頃から、味が良くなる。 |
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形態 | |
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体は紡錘形でやや側扁するが、マサバよりも丸味がある。背ビレは2基で、第2背ビレと尻ビレの後方には、それぞれ5本づつ小離鰭(こばなれびれ)がある。体色は黒色の虫食い模様があり、腹部は銀白色で黒色の小斑点が多数散在する。全長50cmになる。 |
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分布 | |
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西部太平洋や西南太平洋、ハワイ諸島、東部太平洋に分布する。マサバが寒流系であるのに対し、ゴマサバは暖流系である。日本近海では本州以南に分布し、東シナ海や九州西岸に多い。 日本近海のゴマサバはサバと同様に、春から夏に北上して索餌し、秋から冬に南下して越冬と産卵をするという、顕著な南北回遊を行う。また、高齢の超大型魚群は大きな南北回遊はせず、九州南部の沿岸に沿って移動する傾向がある。生息水温は15〜30℃で、適水温度は20℃前後である。 |
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産卵 | |
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冬から初夏にかけて行われ、南部海域ほど産卵時期は早い。日本近海での主な産卵場は、台湾北部や東シナ海南部や土佐湾、九州西岸で、水深100m前後が好産卵場となる。 産卵域の水温はマサバよりも2〜3℃高い17〜23℃であり、30cmクラスで20〜30万粒、40cmクラスで80万粒を産卵し、複数回の産卵をする。 |
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成長 |
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孵化直後の仔魚は全長3mm前後。東シナ海で生まれた仔魚は、黒潮に乗って日本周辺に来遊する。 春から夏にかけて、九州周辺や土佐湾の水深20m以浅の表層域で、体長15mmの仔魚が多く採集される。 仔稚魚の成長は早く、東シナ海では2月頃に体長30〜40mmの仔魚が観測され、8月には20cm、翌年1月には25cm以上に達する。 生後1年で30cm・300g、2年で350〜650g、3年で40cm・850g、4年で1kg以上になる。 寿命は3〜4年で、マサバより短いが成長は早い。食性は肉食で、稚魚期や若魚期にはアミ類やオキアミ類などの浮遊性甲殻類やカタクチイワシのシラスを食べる。その後は、ハゼやマアジの幼魚、カタクチイワシなどの小魚を食べて成長する。 |
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漁法 | |
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延縄や刺網、敷網など色々あるが、最近は巻網とハネ釣りという方法が中心。 鯖火のみ その舟見えず 業見えず 山口 波津女 巻網も釣りも集魚灯でサバを集めるので、この句は巻網か釣船かはわからない。「鯖火」や「烏賊火」などは、普通「漁火(いさりび)」と云っている。 |
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俗諺 | |
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盆過ぎての鯖高い・・・時期を逸することの喩え。江戸時代、塩サバを「盆の魚」と称して盆の贈り物とし、これを食う風 習があった。 正月に餅搗(つ)かず、盆に鯖食わず ・・・・節句の時には一般的に食べるとされているものがあるが、それを食うことが出来ない貧困の暮 らしを言う。 |
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鯖雲 | |
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秋空に小さな白雲がささ波状に集まっている絹積雲(けんせきうん)をいい、鰯雲とも呼ばれる。鯖雲とは、サバの背にある斑点が雲の様に見えたりすることからの命名。また、この雲が出ると、1〜2日後に天気が崩れるという。 |
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鯖の生臭み | |
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サバをよく知っている料理人は、サバを煮る前に切身をザルにとって、背の上から十分に湯を流す。また、焼く前も切身の上に強めの塩をふる。 サバの生臭いのは、トリメチルアミンオキサイドというアミノ酸成分による。このアミノ酸は水にとけるので、湯をかけて脂肪分と共に流したり、塩で脱水させて流したりするのである。また、特に皮および皮と身の間の脂肪部分に多くあるので、背の方を特に念入りに行うのも、そのためである。 |
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お茶漬け | |
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博多では、皮をすべて取除いたゴマサバを刺身より少し薄めに切って、ゴマ醤油に15分ほど和え、熱いご飯にのせたり、お茶漬けとして食べる。口当たりがサッパリとして美味しい。 |
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各地の加工品 | |
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塩サバ・・・・・・・・・・・・・・・・・・千葉・静岡 塩干しサバ ・・・・・・・・・・・・・・千葉・茨城 みりん干し・・・・・・・・・・・・・・・三重・茨城 味噌漬・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮城 小糠漬・・・・・・・・・・・・・・・・・・輪島 なれ鮨・・・・・・・・・・・・・・・・・・和歌山 昆布と一緒にした押し鮨 ・・・京都・大阪 |
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〆鯖の作り方 | |
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1.三枚に卸し、あばら骨をすき取り、塩を多めに振る。皮目を下にしておき身の方にも塩を多目に振り、3〜4時間塩 じめにする。 2.塩じめが終わったら塩を洗い流し、水分をよく拭いて酢に浸す。一定時間で裏返すが、その際に生姜の薄切りも 少し加え、30〜40分漬けてから取り出す。真っ白になるほどの漬け方は禁物。 3.酢を乾いた布で良く拭いて、肩口から薄皮をすっとむき、骨抜きで中骨を一本も残さずに抜き取る。 |
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鯖鮨 | |
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〆鯖をもとにして、酢めしと一緒に昆布と竹の皮でまいて締めたもので、京都地区の名産にもなっている。 |
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バッテラ | |
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昆布を巻いて味を濃厚にしたもので、ポルトガル語でボートの意。また、バッテリーで動かすボートの形に似ていることが語源とのこと。 一群の 鯖火沖にて 燃えはじむ 津井 由紀子 鯖揚ぐる 漁港にわかに 活気づき 田井 はつゑ 大漁の 大鯖をもて 余しをり 原田 杉花 |
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